2023年に発売された電熱半纏「ほかてん」。
サンコーは従来の半纏の昔ながらのデザインに現代風のオシャレさを組み合わせ、さらに防寒着としての機能を高める為に背面に5箇所のヒーターを内蔵した新しい半纏を販売開始しました。
今回は、THANKO(サンコー)の電熱半纏「ほかてん」のプロジェクトリーダーにインタビューをしました。
今回インタビュー相手
今まで半纏に馴染みの少ない若年層にも広まって欲しいし、子供の頃に着ていたであろう年配層の方にも懐かしさを思い出してもらいながら着用して欲しいと野崎さんは話します。
第1章:考案するきっかけ
やっぱり日本の冬は”こたつと半纏”という昔からのイメージが強いですからね。僕自身もおばあちゃん子だったので半纏は馴染み深いアイテムでした。
冬の寒さ対策として電気毛布やヒーターベストはすでに多くのメーカーから販売していますが、半纏に関してはヒーター内蔵の製品はごく僅かしか、世に出回っていません。それでサンコーの得意なヒーター家電と僕が得意とするアパレルの分野を融合して半纏の企画が進んでいきましたね。
第2章:製品のポイント
ポイント①5箇所のヒーター
ヒーターは背面に5箇所で広範囲に配置しました。上部の2箇所は肩部分を、下部2箇所は腰部分を、中央1箇所は背中の中心部分で、ヒーターを着用した際に全体に温かさが伝わるようにデザインしました。
ポイント②デザイン
そうですね。半纏ってやっぱり昔のイメージが強いと思うので、若者向けではないという固定観念が生じやすい製品だと思うんです。ただ昨今のブームで昭和を経験したことのない若年層でも”昭和レトロ”というブームを通して、身近になったので半纏も受け入れてくれるだろうと思いました。
ただ、従来の「これぞ昭和」みたいなイメージにはしたくなかったので半纏のカタチは残しつつ、生地や素材で工夫して現代風の製品にしていこうと考えました。
ポイント③生地・素材
取引先からサンプルを取り寄せて様々な生地で施策を繰り返しました。僕は初期段階から黒で考えていましたが、多方面からネイビーやアイボリーなどの意見があったりしたのでとても悩みましたね。
裏地にファーを持ってくることで、表面側のデニム生地との相乗効果でさらに現代風でおしゃれな半纏になりました。
見た目の良さだけでなく、保温性に優れています。肌触りもいいし、しっかり厚みもあって着用した際に包まれてる暖かさを実感できると思います。
まず半纏の前側の留める部分は、PUレザーと象牙風のトグルボタンを選びました。
半纏だと紐を結んで前を留めるのが一般的ですが、おしゃれ感を出すためにコートのようなデザインにこだわりました。
また半纏の内側にもポケットを作りました。こういったさりげないこだわりで満足度が上がるので重要視しています。
第3章:試作とテスト
日本では昔からの半纏の文化があるので、「半纏を作りたい!」と言えば大体の想像がつくと思うんですよね。
ただ今回の取引先の工場が中国では、半纏の文化がないので製品のデザインを伝えるのに時間がかかりました。取引先の中国の方に日本の半纏を取り寄せてもらったりなど、工夫をしながら話を進めていきました。
素材やデザインを少しずつ改良しながら試作品を作り続けて最終的には満足の行く製品が完成しました。
第4章:今後の展開
室内ではデスクワークや家事をする時に使いやすいと思います。あと見た目のデザインにもだいぶこだわったので、電熱半纏「ほかてん」を着たまま近くのコンビニや外出でも着ていただいてもいいと思います。むしろ外でもどんどん着て欲しいですね!
あとはつま先まるっとあったか着るこたつ「こたんぽ」とのW使いもいいと思います。着るこたつが下半身を温めるもので半纏が上半身なので、両方使用したら全身暖まって脱げなくなります。
第5章:最後に一言
間違いなく暖かい自信があるので、ぜひ感じて欲しいです。
空間を暖かくする、エアコンやファンヒーターと違って着用するアイテムなので直接暖かさを実感できると思います。
特長 | ・電熱線を内蔵し暖まれるはんてん ・洗濯機の使用OK ・肌触り抜群の起毛素材使用 |
価格(税込) | 8,980円 |