こんにちは。
サンコー商品企画部・エンジニアのM田です。
主にネタ枠を担当しています。
基本的にネタ系商品を担当しているのですが何故か食洗機「ラクア」新型の開発を担当することになり非常に苦労しています。
サンコーのラクアといえば雑誌やメディアで洗浄力や使い勝手が評価され大人気の商品です。
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食洗機とは
そもそも食洗機がどのように食器を洗浄しているのかというと、洗剤が入った温水をポンプで汲み取り、
高圧になった水をノズルからスプリンクラーのように噴射することによって食器を洗浄しています。
手洗いに比べて高温の水を使うことができるため、油汚れをしっかりと落とすことができます。
また、洗浄用の水はポンプで繰り返し使われるので手洗いより大幅な節水ができます。
食洗機があれば食器洗いという面倒な家事から解放され、自由な時間を得られます。
とまあ、宣伝はこのくらいにして早速本題に入ります。
検討の日々
まず、ラクアがなぜ人気なのか考えてみました。
最近はコロナ禍もあり家で過ごす時間が増え、食洗機の需要も増えています。
それに応えるように様々なメーカーから食洗機が販売され始めました。
一昔前はP○nas○nicしか販売していませんでしたが、サンコーがラクアを販売したタイミングからなんと10社以上も食洗機を取り扱い始めています。
そんな状況でもラクアが人気なのは、価格の安さと洗浄力の高さが評価されているためでしょう。
したがって、その二つを満たしつつさらなる付加価値を与えられれば大ヒットが望めそうです。
エンジニアとして、任されたからには期待を裏切るわけにはいきません。
洗浄力アップや付加価値創造のために様々な方法を検討しました。
ポンプをさらに強力にする、ノズルを増やす、圧力をかけて更に高温にする、高温のスチームで洗浄するetc…
しかし、いずれも新型ラクアに採用するにはパンチが弱く決定打に欠けていました。
そもそもとして食器を洗浄する方法はポンプでスプリンクラーのように水を噴射する方法しかないのか・・・?
ブレークスルー
煮詰まった結果、画期的な方法を編み出しました。
「スピーカーの振動で水を動かすことで食器を洗浄できるんじゃないか・・・?」
きっかけは昔見たYoutubeの動画でした。
車用のウーファーを防水にして水を張った後音楽を流すと勢いよく水が跳ねています。
この勢いであれば食器も洗浄できそうです。
さらに洗浄中は音楽も流せて、音楽と連動する食洗機として新しい付加価値もあります。
一気に最有力候補が見つかりました。
検証のため早速試作品製作に取り掛かります。
試作品作り
まずは食洗機に使用するウーファーを選定します。
アメリカAmazonで一番安い10インチウーファーと1000Wアンプを購入しました(自腹)。
アメリカはカー用品が安く合計でも5000円程度と激安でした。
このウーファーに合わせて3DCADでモデリングをしていきます。
こんな感じで設計できました。
下半分にウーファー・フルレンジスピーカー2発と食器カゴ、上半分がカバーになっています。
下半分の筐体は3Dプリンターとレーザーカッターで作ります。
社内の光造形3Dプリンターでプリントし・・・
レーザーカッターでアクリルパネルを切り出します。
そして出来上がった部品を組み合わせて・・・
完成!!
早速汚れを付けた食器をセットして試運転してみます。
ラクアといえば放置してこびりついたカレーもピカピカと評判なのでそんな感じでカレーをお皿に塗りたくりました。
ついに実際に動かしてみます。
最初は30Hzの正弦波から試してみましょう。
すると。。。
めっちゃ跳ねてる!!!!
これはいい感じです。
テンション上がってきたのでEDMを流してみました。
音楽と連動して水しぶきが上がるので見ているだけで楽しくなりますね!
LEDやレーザーライトも欲しくなってきました。
まあそれは置いて肝心な洗浄力を確認してみます。
ドキドキ・・・
ピカピカになった!!!!
乾燥機能は実装していないので水滴がついたままですが1曲分の時間でこの洗浄力は素晴らしいです!
これならラクアの新型を名乗ることが出来そうです。
発売が楽しみですね!!!!!!!
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はい、ここまで全部現実逃避です。
ほんとはちゃんと作ってます。
新型食洗機、来年発売を目指してますのでよろしくお願いいたします。
では、また次回。