TikTokなど海外でも人気なシティポップ。どうせなら本物のカセットテープで聴いてみるのはいかがでしょうか?
そんな時におすすめしたいのが、2023年にサンコーから新発売されたローファイを楽しむ80’sカセットプレイヤーです。
現代に蘇った最新のカセットプレイヤーは、ほのかに80年台の香りがただようエモさ抜群の音楽再生デバイス。
そんな最新カセットプレイヤーですが
「実際に使ってみて使いやすいの?」
「どんな音で聴けるの?」
という疑問をお持ちの方も多いはずです。
この記事では、ローファイを楽しむ80’sカセットプレイヤーの実力や特徴を徹底解説していきます。
ローファイとはあえて音質を落として録音した音源
ローファイを楽しむ80’sカセットプレイヤーをレビューする前に「ローファイ」について少し解説していきます。
そもそも「ローファイ(lo-fi)」とは、あえて音質を落として録音した音源のことを指します。
高音質な音源である「ハイファイ(Hi-Fi)」とは正反対です。
〇レトロな雰囲気の音が録音できる
〇ローファイ特有の温かみのある雰囲気に仕上がる
といったメリットがあります。
昭和・平成レトロがZ世代の中で「新しい」という機運に伴って、ローファイミュージックもTikTokなどで人気が広まっています。
なぜ今カセットテープ?カセットテープの魅力に迫る
「ローファイミュージックを聴くなら、YouTubeやサブスクでもいいじゃん」と思うかもしれませんが、カセットにはカセットの良さがあります。
カセットテープは、ノイズがまじった独特の音が何よりも魅力。CDやデジタル音源には出せない独特の温かみのあるホッとする音を奏でてくれます。
また、最近ではさまざまなアーティストがカセットテープを売り出すなど、再評価されてきている兆しがあります。
Z世代には新しく、30代・40代以上の世代にいくと懐かしい。そんな二面性を併せ持つカセットテープは、音楽を楽しむ上で忘れてはならない存在なんです。
商品について徹底解説
この商品の特徴について、以下5つの観点から解説していきます。
- 80年台を思わせるデザイン
- ボタンの押し心地
- カセットテープをデジタルデータに変換
- 電源は単三電池
- 安心のオートリバース機能
「いったいこれはいつの機械なのか?」と考えさせられるデザイン性とこだわりの使用感は注目ポイントです。
それでは解説していきます。
80年代を思わせるこだわりのデザイン
ローファイを楽しむ80’sカセットプレイヤーは、80年代のカセットテープを再現したかのようなデザインになっています。
●大きめでゴツくて黒い無骨なデザイン
高さ9cm×横11.6cm×幅3cmの大きさは、携帯には不向き。
しかし、おしゃれやインテリアの一部として魅せるならエッジが効いていて良いです。
●iPhone14より背が低くて、横幅は大きめ。
●正面から見て右側には音量調整ダイヤル・3.5mmステレオミニジャック・USB-Aポート・フタの開閉ボタン
タップ操作やタッチセンサーには無い、アナログな音量調整になっています。
ダイヤルだから無段階調整で、好きな音量で聴けるのもありがたいポイントです。
スライドしてロックを外しフタを開閉するアナログな方式がまた良いです。
●正面から見て左側は電源ポート
電源接続で使うための電源ポート。
USBに音楽を取り込むときには、電池切れの可能性があるので基本的にこちらの電源ポートを使用します。
●上面は各種ボタンを配置
レトロに光る銀色の操作ボタンを上面に配置。
正面から見たビジュアルにも大きく影響する、大きめのボタンが魅力的です。
●背面にはUSB録音時に使用するボタン・LEDランプ・再生速度コントロールボタン
裏面は、USB録音やLEDランプなど現代的な装備が揃っています。
現代的な機能を見えない部分に持ってきて、レトロな雰囲気を損なわないようになっています。
裏面で見て欲しいのが、商品に貼り付けてあるシールです。
昔の家電で見たような雰囲気の文字に銀色のシールが、こだわりを感じさせます。
「あの頃の雰囲気」が詰まったデザインになっていますね。
押し心地がレトロ!ボタンの役割を紹介
ボタンの押し心地もカチっとレトロな雰囲気で、当時を思い出す仕様です。
タッチセンサーなど、優しく押せば良いボタンでは無いのが、おすすめポイント。
引っ掛かりのあるボタン操作が、昭和に感じさせてくれます。
ただし、ボタンの表記まで昔に合わせているので、慣れるのには時間がかかります。
とはいえ、慣れてしまえばストレスなく使えるので安心してください。
カセットテープ音源をそのままデジタルデータに変換
もちろんカセットテープを楽しむだけでなく、カセットの音源をデジタル変換してUSBに録音する事もできます。
操作方法としては、
- カセットテープをセットする
- USBケーブルから電源を取る(電源切れによる録音失敗の防止)
- USBメモリを差し込む
- 裏面変換操作ボタンを押す
- カセットを再生する
以上です。
カセットテープは、テープが伸びたり折り目がついたりして音の劣化が起こります。
今あるカセットテープの音源をUSBに録音して、カセットテープの劣化に備えておけば「いつか聴けなくなる」という不安の解消につながります。
もちろん録音した音源はそのまま再生可能。
大量のカセットテープ音源を録音しておき、スピーカーとローファイを楽しむ80’sカセットプレイヤーを接続して部屋で垂れ流しで聞いても良いですね。
単三電池2本で動かすのエモさ
電源は以下2つどちらかを使用します。
- 単三乾電池2本
- USBケーブルで電源を取得
普段使いや外出時などはよく使うのは単三乾電池2本でしょう。再生時間としては、アルカリ乾電池使用で約4時間ほどで長くはありません。
しかし、単三乾電池2本というのが個人的に絵もく感じるポイントになっています。
バッテリー内蔵じゃない使用が、レトロなデザインの雰囲気を損なわない心配りとも受け取れます。
充電式のプレイヤーも便利ですが、たまには「めんどくさいけど、これが良い」を経験してみませんか?
オートリバース機能もきちんとある
カセットテープといえば、A面・B面。カセットテープは裏返すと違う曲が流れ出すなんとも不思議な仕様になっています。
こちら本来なら手動で裏返すのですが、オートリリバースと呼ばれる自動でA面からB面に切り替わって再生してくれる機能があります。
オートリバースは、カセットが自動で裏返るのではなく、読み取りのヘッドが動くことで実現している機能です。
A面B面合わせて最長90分の音楽を聴き続けられる、便利な機能になるのでオートリバース機能がついているのは嬉しいポイントですね。
実力をチェック
ここからは実機を使って行って、実力をチェックしていきます。
思ったよりもいろんな使い方ができたので、「自分だったらどう使う」かを考えながら見ていただくと幸いです。
基本の使い方
●乾電池のセット
後ろのフタを開けて乾電池をセット。
●ならし運転
金属部分を馴染ませるため、USBケーブルをつないで30分の試運転をおこないます。
この一手間がローテクを感じさせ、心を動かされるんですよね。
●カセットを入れる
スライドボタンを動かすと、パカっとフタが開きます。
このアナログな感じがたまりません。
ボタンの押し心地もGood!カチッパキッという音が良い
まずは、ボタンの押し心地をチェックしました。
最新のデバイスにはない、絶妙な「引っ掛かり感」が良いですね。
カセット独特のローファイ感が泣きたくなるほど愛おしい
準備が完了したところで、いよいよカセットテープでシティポップを聴いてみます。
再生ボタンを押すと、カセットテープが回りだし曲が流れ出します。
カセットテープ特有の少しガサついた、暖かみのある音色が心地良いですね。
程よいノイズ感が、エモさを際立たせるエッセンスになっている印象です。
総じて「シティポップを聴くならカセットテープが良い」と感じさせられる聴き心地でした。
スピーカーと接続すれば昭和のBGMが流れる現代リビングへ
スピーカーと接続して、リビングをカセットの音で包んでみました。
接続方法は、両方イヤホンプラグになっているAVケーブルでスピーカに接続するだけです。
イヤホンやヘッドホンなど、耳に装着するものが苦手な方におすすめの聴き方です。
部屋の雰囲気もガラッと変わって、夜中の勉強中や雑誌を読むときに使いたい方法ですね。
車で流せばエモさ溢れる昭和のドライブデートも
次に車に接続してドライブをしてみました。
イヤホンジャックさえあれば、車でもカセットテープの音を楽しめます。
昭和のドライブデートは、カセットで自分だけのプレイリストを作って雰囲気作りをしていたそうです。
筆者(ギリギリ平成生まれ)がドライブした印象としては、子どもの頃に乗った父親の車を思い出すドライブとなりました。
今度のドライブは、カセットの音に包まれた気分の良いドライブを楽しみませんか?
持ち歩くには大きいけどおしゃれの選択肢としてアリ
ここまで良いとこだらけでしたが、残念ながら持ち歩くには少し大きい印象です。
現代の「スマホひとつで出かけられる」ミニマルな生活に慣れた方には特に大きく感じるかもしれません。
大きさが気になると思うので、ズボンのポケットに入れてみました。
大きめのポケットにスポッと入りました。
一般的なデニムのポケットなどには厳しいかなという印象です。
見た目としては「ポケットに何か入ってる」とわかる程度。
大きめのポケットのスボンなら持ち歩きも悪くないと感じます。
ただし重量が200gあるので、ウェストがゆるいズボンをはいたときは、ベルトをしたほうが良いです。
小さめのバッグに入れてみました。
スポッと入り、ストレスも感じません。
カバンを持つのが苦ではない方なら、小さめバッグに忍ばせる選択肢もありですね。
再生速度に違和感を感じたら調整できる
カセットテープはアナログなもので、温度変化などで再生速度が変わることがあります。
「なんか最近、再生速度が遅い気がする」などといったことも起こるので、再生速度を調整できるようになっています。
裏面の小さい穴を回して調整します。
- 時計回転:早くなる
- 半時計回転:遅くなる
ドライバーも付属しているし、難しい作業ではありませんでした。
良い点と残念な点
ローファイを楽しむ80’sカセットプレイヤーには以下のようなメリットデメリットがあります。
メリット | デメリット |
---|---|
ローファイ音源をカセットで楽しめる カセットで聴いてるのが新しくて周りと差別化 夜中に聞きたいローファイシティポップを最高の環境で聴ける カセット特有の温もりのある音楽を楽しめる | アナログな操作 再生スピードの調整がめんどくさい 大きくて持ち歩くのには不向き 録音がUSBメモリ |
やはり最大のメリットは音楽をカセットというレトロなもので聴けるところ。どのようなカセットを入れても、カセット特有の温もりのある音で聴けるため、夜のひとり時間や勉強のお供におすすめ。
一方、ウォークマン代わりに持ち歩きたい方には向いていない音楽プレイヤーです。サイズが大きいのでカバン内で嵩張るし、ポケットもパンパンになります。
また、デジタルデータとして録音できるのは良いのですが、USBメモリ意外にもSDカードへの録音があればよかったですね。USBメモリを接続したままでは、せっかくレトロな見た目なのに統一感が薄れてしまいます。
とはいえ、カセットだけでしか聞かない方には関係のない話です。
メリット・デメリットを知って、ローファイを楽しむ80’sカセットプレイヤーの購入を検討しましょう。
おすすめな人とおすすめできない人
それでは最後に、おすすめな人とおすすめできない人を以下にまとめました。
おすすめな人 | おすすめできない人 |
---|---|
レトロなものが好き カセットテープで音楽を聴いてみたい 人と違ったものを持ちたい 夜中に音楽を聴いてゆったりしたい シティポップをよく聴く | ローテクなものはめんどくさい ローファイよりハイファイ 乾電池を変えるのがめんどくさい 有線イヤホンはジャマ |
レトロなものが好きな方や、シティポップをよく聴く方にはローファイを楽しむ80’sカセットプレイヤーがおすすめです。
持っているだけで所有欲を満たされます。また流れてくるローファイな音から自分だけの世界に浸れるのもおすすめポイント。
一方、「音楽は高音質じゃないと」という方にはおすすめできません。
また、持ち歩くには乾電池が必要で、連続使用時間も4時間が上限と長くありません。乾電池を変えるのが苦の方が、ウォークマンやスマホで音楽を聴きましょう。
まとめ
ローファイを楽しむ80’sカセットプレイヤーは、デザインや使い心地から80年代を思わせるこだわりの詰まった商品です。
レトロ感を感じながら音楽を楽しみたい方やシティポップ好きにはぜひ購入して欲しい商品です。
また、30代・40代以上の方にとっては久しぶりにカセットを聴くチャンスです。
ローファイを楽しむ80’sカセットプレイヤーで「あの頃」を思い出してみませんか?